2020年10月6日(火)
朝晩、一段と冷え込む。
昨日は母の5回目の命日。早朝、東の空が朝焼けでだいだい色に染まっていた。西の空を見ると、虹が鮮やかに架かっている!一瞬、目を疑う。心成しか鳥のさえずりがいつもより多く聴こえる。何かの前触れかと訝った。
いつもと変りなく、仏壇に線香を供える。
.
久しぶりに連休の初日。
今年に入り新しく就業した早朝の仕事であるが、9か月目にして初めての連休となる。
新米の季節は荷物が重い。20kgを超えて30kgの米袋が何袋も来る。腰や股関節に悪い。
.
今朝はYouTube Musicを聴きながら本来の仕事をリモートワーク?、いや元々自宅での個人事業を作業している。
リナ・サワヤマはもちろん、お気に入りのアーチストの音楽でhappyな気分だ。
「お気に入り」になぜか覚えのないアーチストが・・・
ルイ・アームストロングをチェックしたはずが、エラ・フィッツジェラルドが登録されている。
.
大学生の頃はジャズにはまる。
ルイ・アームストロングやスイングジャズ、ディキシーランド・ジャズなど、ジャズ評論家の著作なども読み、夢中になる。
ダニー・ケイ主演の映画『5つの銅貨』で、実在のコルネット奏者レッド・ニコルズを知る。この映画にはルイ・アームストロング本人が出演している。陽気で、切なく、家族思いの、仲間思いの人々の印象が鮮烈だった。とても懐かしく思い起こす。
初期ビバップにも夢中になった。
チャーリー・パーカー(サックス)、ディジー・ガレスピー(トランペット)、クリフォード・ブラウン(トランペット)などなど・・・
中でもチャーリー・クリスチャン(ギター)の「Swing To Bop」には強い衝撃を受けた。LP盤アルバムが家のどこかにしまってあるはずだ。
.
「お気に入り」に闖入していたエラ・フィッツジェラルドを聴いてみる。大学生の頃は聴いた覚えがほとんどないのだが。
しっとりとしたバラード調からルイ・アームストロング張りの歌声まである。そのサッチモとの共演もある。素晴らしい、聴き入る。
エラ・フィッツジェラルドも「お気に入り」にしよう。
.
2020年9月20日(日)
暑さは彼岸までであった。
古来より日本の季節の移り変わりに変わりはない。
多少の温暖化だろうが、寒冷化だろうが、日本の四季の美しさは世界一だ。
日本人として誇らしい。
.
Rina Sawayama
ロンドンで活動中の日本人ミュージシャンを最近知る。
毎日、auのうたパスで聴くほどハマっている。
英国で「ネクスト ガガ」と評され、エルトン・ジョンも絶賛しているらしい。
それに影響もされているが、聴けば聴くほどリナ・サワヤマの才能にほれ込む。
.
英語の歌詞の意味はほどんど分からないが、エネルギッシュな歌いっぷりがたまらない。
「Chosen Family」
「Bad Friend」
「Tokyo Takeover」
など、不思議に、面白く、楽しい。
聴いているだけで、happyな気持ちになる。
.
ずば抜けた才能を持っているのだろう。
日本でのアルバム発売や、ライブコンサートが待ち遠しい。
.
2019年7月3日(水)
梅雨本番を迎える。
九州や西日本では土砂崩れなど厳重な警戒が必要になっている。
.
数年前に購入した『江戸川乱歩全集』が長い間積ん読になっている。
昭和36年から昭和38年にかけて桃源社から刊行された全集全18巻を、沖積舎が復刻した全集である。
.
「陰獣」「白昼夜」を読み終わり、「孤島の鬼」を読んでいる。
どれも推理小説の魅力に溢れている。
作品がたくさんあるので、今は読むのに忙しい。
いつか感想を書こうと思う。
.
2016年11月3日(木)
.
文化の日、晩秋の色が濃い。各地で紅葉が見頃だという。
強く吹く冷たい風に冬の到来も近いことを感じる。
朝晩の冷え込みに比べると日中はけっこう汗ばむ。
この時期にとくに原因がないのに鼻水が出る症状を寒暖差アレルギーというらしい。10月下旬から時折鼻水が出ることがあったが、このせいかと合点する。
.
『サイレント・ブレス』(南杏子著)の第5話(「ブレス5」)を読む。
この中で著者はこう語っている。
- 死までの残された時間、ゆったりと寄り添うな治療がいかに大切か -
「治療」を「介護」に置き換えれば、終末期を迎えた患者を介護する家族の在り方になる。
食べたくなければ無理に食べさせない。
リハビリをやりたくなければ無理にやらない。
本人の望むままにやりたいことをさせる。
.
母が昨年10月に亡くなる前に、ゆったりと寄り添うことができたか。
振り返れば自信はない。
52日間の入院中、一切の飲食禁止(経口での絶食)と静脈からの経管栄養の状態であり、ほとんどを酸素吸入で過ごした生活である。
発語も意思疎通もままならない認知症のために、母の希望を確かめることができない。
三日に上げず面会に行き、母に寄り添う。
持ち直すことができるかもしれないと、わずかな希望を抱く日々・・・。
日を追って衰弱していく母・・・。
息子としてできることはやったのだと言えるのだろうか。
.
TVドラマ「レディ・ダ・ヴィンチの診断」(主演・吉田羊)で、
神経梅毒による認知症を患った大女将と嫁の女将との不仲を取り上げている。
ほぼ寝たきりになった大女将は認知症のために、これまでの記憶が無くなっている。
ついに大女将の本当の心情を知ることになる嫁が大女将に感謝の念を持ち、こう語る。
- 母の記憶がなくなってもいいんです。私が覚えていますから -
.
このセリフを聴いて、ある言葉が思い浮かぶ。
「記憶は愛である」
.
2016年10月25日(火)
.
朝晩の冷え込みは一段と増し、北国からは雪の便りが届く。
時雨月(しぐれづき)が終わろうとしている。
10月は冠婚葬祭にまつわることがいくつも重なっている。
妻との結婚記念日、母の命日、父と母の結婚記念日、父の誕生日、そして私の誕生日・・・。
父と母が建てた、私と家族が住んでいる家は、もしかすると10月頃に地鎮祭を営んでいるかもしれない。残っている写真をみるとそんな気がする。
私にとって時雨月は侘しいものである。
.
『サイレント・ブレス』(南杏子著)を半分読み終えた。
小説は訪問診療の医師が経験する6話から構成されている。ひとつひとつの物語は独立している。主人公が終末期の患者たちと真摯に向き合い、患者はやがて訪れる最期をどのように迎えることになるのか、オムニバス形式に近い手法で描いている。
患者も家族も、医療者の側も最後の瞬間まで悩み迷い、もがき苦しむ。
終末期医療の現場の描写は生々しく、身内や親しい人を看取ったことがある者ならばありありと分かる。
.
昨年亡くなった母は在宅介護・医療が叶わなかった。
入所していた老健(介護老人保健施設)から提携の病院に緊急入院、無事に退院できれば在宅介護と在宅医療を選択しようと考えていたが、母はその前に力尽きた。
小説にも取り上げている延命治療は、正解のない問題のひとつである。
母は要介護5の認知症の上に発語も意思表示もほとんどできず、本人に延命治療の有無を選択することはできない。兄と相談して延命治療を選択しなかったが、本当にそれでよかったのか。母は納得して逝ったのだろうか。
.
誰にでもいつかやって来る死をどのようなものにするのか、この作品が投げかけている。
.
2016年10月15日(土)
秋晴れ。
日が差すと暖かいが、朝晩はぐっと秋冷が厳しい。
.
昨年の今ごろの日記にこうある。
「十月の別名はたくさんあるが、時雨月(しぐれづき)という異称がある。
これから幾星霜を経ても、私は時雨月に泣くだろう」
.
母が亡くなって一年が経つが、母への罪悪感だけは薄まらない。
カテゴリ「認知症の母」で詳述しているので、ここでは繰り返さない。
『サイレント・ブレス』(南杏子著)を読んでいるのも、その表れである。
.
もう一冊興味深い本を読んでいる。
『眠れなくなる宇宙のはなし』増補改訂版。
著者は、インフレーション理論を唱えたことで著名な宇宙物理学者の佐藤勝彦氏である。
この本の中で重力波の初観測について触れている。
観測された重力波は二つのブラックホールが合体したときに発生したものであるが、宇宙の誕生直後に生まれた重力波(原始重力波)も観測できることが期待されている。
今世紀中に、「我々の」宇宙が生まれたときの「産声」を聴くことができるかもしれない。
だが、宇宙について人類が知っているのは5%に過ぎない。残りの95%は暗黒物質や暗黒エネルギーであり、ほとんど解っていないともいえる。「暗黒」が暗躍しているようで何やらSFめいているが、世界中の科学者が真剣に議論しているという。
10次元空間から成るブレーン(薄い膜構造)宇宙仮説、「母宇宙」とそこから生まれる「子宇宙」など、無数に存在する(かもしれない)宇宙・・・。
宇宙の「果て」はないのか???
宇宙は「無」から生れた???
宇宙と我々が「存在する」とは???
ほぼ確かなことは、今から138億年前に「我々の」宇宙が生まれた、こと。
.
秋の夜長にこの本を片手に、日常の憂鬱から逃避する。私の「逃げ道」である。
.
長らく読書は無沙汰であった。
このブログの「読書・音楽・芸能」カテゴリをみると、一昨年の12月が読書についての日記の最後なので、約2年ぶりである。
「読書の秋」だからというわけではないが、先月に一冊読み、そしてこの日記タイトルの本を注文中である。
.
先月読んだ本は『四十八人目の忠臣』 諸田玲子著。
今、NHKで武井 咲主演の『忠臣蔵の恋』と題して連続ドラマが放映されている。
ドラマの副題に原作の作品名が使われている。
著者は原作の中で、
「忠義は男だけのものではない。女子(おなご)には女子の忠義がある」
と語る。
主人公は、討ち入りの二年後に、6代将軍となる徳川家宣の奥女中として奉公に上がった実在の女性である。
のちに家宣の側室となり、7代将軍徳川家継の生母となる月光院、側室の名で「喜世」をモデルとしている。
小説では、喜世を浅野家にゆかりのある女性として捉え、事件後の恩赦や浅野家再興に奔走する忠義者として描いている。
「四十八人目の忠臣」であったのか証左を示すものは何もないが、興味をそそられる。
ドラマの名前にあるように四十七士の一人である礒貝十郎左衛門との恋を中心に、忠臣蔵の物語が進む。礒貝十郎左衛門は今でいう超イケメンである。原作もドラマも第一級のラブロマンスに仕上がっている。
.
本題より長くなってしまったが、その本題『サイレント・ブレス』(南杏子著)は、現役の女医が自分自身の体験を基に書いた小説である。著者のデビュー作である。
著者が祖父の介護と終末医療の現場でつかんだ思いを問いかけている(そうだ)。
.
著者は願う。
「この本が、介護で悩む人に寄り添うものになってくれれば」
(読売新聞「よみうり堂」より)
.
5冊目に続き、読者モニター6冊目をゲット!
本日、プルーフ本(完成前原稿で制作した見本書籍)が送られてきた。
ダメかなと諦めていたので、嬉しい。
.
『おまめごとの島』
著者:中澤日菜子
.
昨年、著者のデビュー作である『お父さんと伊藤さん』の読者モニターに落選しているので、雪辱戦である(笑)。
出版社によると、小豆島が舞台の家族と他人の「絆」の物語。
.
応募時に次のメッセージを認めた。
(概略)
書名の「おまめ」とは何か知らなかった。
「みそっかす」や一人前とは認めてもらえない、お荷物扱いなどの使い方があることが分かり認識を新たにした。同郷の妻も知らないので生まれ育った地域が関係しているのだと思う。実生活や真実のことがらを意味する「まめごと」もあるので、両者を掛け合わせた物語になっているのかなと推察する。モニター募集のコメントによると「絆」がテーマになっていることを合わせて考えると、想像の翼が広がる。是非とも読んでみたい作品である。
.
このメッセージの前に、我が家の実情と問題を説明し、日々、家族の絆とは何かを考えること頻りであることを告げている。
この年末年始にじっくり読もう。
楽しみだ。
.
10月に応募した 「
読者モニター(8)」。
.感想を送り、採用されたプレゼントとして、発刊書籍が届いた。
著者のサイン入りである。
“幸せの青インコ”と名付けられたイラストが描かれている。可愛い。
.『しょっぱい夕陽』
著者:神田 茜
発行:講談社
.出版社の特設サイトがある。
『しょっぱい夕陽』特設サイト.この特設サイトに送った感想の一部が掲載された。嬉しい。
“思わず「だよねー!」と言っている自分にハッとなる。”
.編集部から丁寧なお礼状も同封されている。
1月に発売される雑誌『ダ・ヴィンチ』に、著者のインタビューが載る。そこでも感想が引用されているという。
買わなくっちゃー!(笑)
.
今日は、次男の小学校の音楽発表会。
6年生なので、小学校最後の音楽発表会である。
.
座席は1家庭1席であるが、観賞しない家族から整理券を1枚頂いたので妻と二人で出かける。
子供の音楽発表会へゆくのは久しぶりである。
空は、台風一過の秋晴れ。
台風の影響か、風は強く吹いているが、日差しは暖かい。気持ちがよい。
.
6年生の前に5年生の発表を聴く。
元気いっぱいの合唱と合奏に、ちょっと感動してしまう。
上手い下手ではなく、全員が一所懸命に発表している姿が心に響いてくるのだろう。
.
次男の6年生は、合奏から始まる。
曲目は「We Are The World」。
発表会のテーマである
「 未来へつなげよう
心のハーモニー 」
に相応しい選曲だと思う。
息子の楽器は、鍵盤ハーモニカ。
遠い座席からオペラグラスで、息子の演奏を見守る。
.
合唱は「COSMOS」。
まるで、銀河連邦の中心である相模原市の子供たちを祝福しているような歌。
次男も同級生も心を込めて歌っている。
とくにボーイソプラノの響きが美しい。
親馬鹿かもしれないが、息子の成長に感無量である。
.
心のハーモニーは、この宇宙のハーモニーでもあろう。
未来の世界を継ぐ者たちに幸あれ。
.