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認知症の母(58)

母の記録【四十八】
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今日は7月16日(水)。
梅雨がもう明けたのではと思えるほどよく晴れている。
関東地方の梅雨明けは、来週の前半らしい。
もう夏は本番である。日差しはまぶしく、蒸している。
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今朝、母の機嫌が悪い。
表情が険しい。昨夜からあまり寝ていないようだ。
家内が朝ごはんを出すと、ほぼ毎日飲んでいる青汁を入れたコップを投げてしまった。蜂蜜入りなので飲みやすく、いつもはよく飲んでいる。不穏のときは、物を投げる。母の机の周りや壁は染みだらけである。
コップには青汁が辛うじて4分の1ほど残っているので、便秘によい錠剤を蜂蜜とお湯で溶き、混ぜた。
甘いジュースだよ、美味しいよ、と言って飲ませる。
だが、なかなかコップを持とうとしない。
身体にいいんだよ、さあ飲もう、と宥めすかす。
少し飲んではコップを置いてしまう。
美味しいよ、身体にいいよ、と宥めすかす。
また少し飲んでコップを置く。
この繰り返しで10分以上はかかる。
まるで我慢大会である。
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時間はかかったが、無事に飲み干した。
ここまでは、よかった。この後がいけなかった。
介護施設に通うために、母を部屋から出すときのことである。
椅子から立ち上がらせ、部屋の出入り口に向かって歩かせた。
私は窓を開けるために、母から目を離した。
窓を開けていると、背後から「ああァァァ」と母の声が聞こえる。
はっとして振り向くと、母の身体が倒れ始めた。
スローモーションビデオのように、ゆっくり・・・。
母の頭が畳にぶつかる!、そう思った刹那、咄嗟に手が出た。
落ちてくるボールを地面すれすれで受け止めるように、母の頭が掌に入った。間一髪。
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ほっと安心するのもつかの間、母を起こそうとすると悲鳴が響いた。
その声で私の平常心が崩れてしまった。
今朝から私も虫の居所が悪い。
母の悲鳴に、「うるさい、黙れ!」と怒鳴ってしまった。
母は悲鳴を上げながら「ごめんなさい」と言う。
修羅場である。
妻が声を聞きつけて、母を連れていった。
この3か月くらいは、母を怒鳴ったり、きつく叱ったりしていなかった。
私の心も落ち着いており、母にやさしく接することができた。
今日はこれで後味の悪さだけが残った。しかし母が悪いわけではない。
母が怪我をしなかったことが、せめてもの救いである。
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認知症の母を介護することは、とても苦労する。
常にやさしく接しなければいけないと思ってはいるが、難しい。
ドラマ『家族狩り』は、複数の深刻なテーマが盛り込まれている。
認知症の家族の物語りも組み込まれている。
悲劇といっては言い過ぎであろうか。
かなりの人が避けて通れない大きな問題であることは確かである。
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介護施設の役割は、これからますます大きくなるであろう。
母が利用している小規模多機能ホーム “ななかまど” さんは、とてもよく頑張っている。
母が、穏やかな時間を過ごせるように願っている。
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ブログのサブタイトルの境地に立とうとして立てない店主の心模様を綴ろうと思います。
人生ままならない店主は、写真のスキャンサービスという仕事をしています。デジタルカメラが全盛の中、大切な思い出の写真(主に紙焼き写真)をデジタル化して保存するお手伝いをしています。
神奈川県相模原市にある家族経営のサービスです。
写真は、長女が1歳の頃...かなり昔なので、店主も若い!(笑)
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