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サイレント・ブレス(3)

2016年11月3日(木)
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文化の日、晩秋の色が濃い。各地で紅葉が見頃だという。
強く吹く冷たい風に冬の到来も近いことを感じる。
朝晩の冷え込みに比べると日中はけっこう汗ばむ。
この時期にとくに原因がないのに鼻水が出る症状を寒暖差アレルギーというらしい。10月下旬から時折鼻水が出ることがあったが、このせいかと合点する。
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『サイレント・ブレス』(南杏子著)の第5話(「ブレス5」)を読む。
この中で著者はこう語っている。
 - 死までの残された時間、ゆったりと寄り添うな治療がいかに大切か -
「治療」を「介護」に置き換えれば、終末期を迎えた患者を介護する家族の在り方になる。
食べたくなければ無理に食べさせない。
リハビリをやりたくなければ無理にやらない。
本人の望むままにやりたいことをさせる。
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母が昨年10月に亡くなる前に、ゆったりと寄り添うことができたか。
振り返れば自信はない。
52日間の入院中、一切の飲食禁止(経口での絶食)と静脈からの経管栄養の状態であり、ほとんどを酸素吸入で過ごした生活である。
発語も意思疎通もままならない認知症のために、母の希望を確かめることができない。
三日に上げず面会に行き、母に寄り添う。
持ち直すことができるかもしれないと、わずかな希望を抱く日々・・・。
日を追って衰弱していく母・・・。
息子としてできることはやったのだと言えるのだろうか。
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TVドラマ「レディ・ダ・ヴィンチの診断」(主演・吉田羊)で、
神経梅毒による認知症を患った大女将と嫁の女将との不仲を取り上げている。
ほぼ寝たきりになった大女将は認知症のために、これまでの記憶が無くなっている。
ついに大女将の本当の心情を知ることになる嫁が大女将に感謝の念を持ち、こう語る。
- 母の記憶がなくなってもいいんです。私が覚えていますから -
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このセリフを聴いて、ある言葉が思い浮かぶ。
「記憶は愛である」
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ブログのサブタイトルの境地に立とうとして立てない店主の心模様を綴ろうと思います。
人生ままならない店主は、写真のスキャンサービスという仕事をしています。デジタルカメラが全盛の中、大切な思い出の写真(主に紙焼き写真)をデジタル化して保存するお手伝いをしています。
神奈川県相模原市にある家族経営のサービスです。
写真は、長女が1歳の頃...かなり昔なので、店主も若い!(笑)
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